学習の管理と記録
毎日の過ごし方
「気づいたら、時間が過ぎて1日が終わっていた」という感覚は、誰しも経験すると思います。物事に熱中する体験は、とても大事です。特に時間を忘れるほどの集中力は、将来も活きてきます。
その一方で、年齢が上がるにつれて、すべきこと・したいことは増えてきます。そのため、自己管理能力が求められます。自己管理を徹底するときに最も大事なことは、生活リズムを一定に保つことです。すなわち、生活習慣を規則正しくして、心身の調子を整えることです。その上で、すべきことを早めに終わらせておくと、気持ちに余裕ができます。
具体的には、以下の2項目を並行するとうまく進みます。
- 家庭用時間割の作成
- 学習の管理と記録
「家庭用時間割」は、①起床時刻・就寝時刻を決めることで生活習慣を整える、②1日の時間を把握し学習と遊びのバランスを整える、という2つの大きな役割があります。「どの時間帯に何をするか」を決めておくと、1日にできることを増やせます。時間に縛られたくないという人は、夕食後など特定の時間帯は予定を入れない・週末など特定の曜日は計画を決めずに過ごすなどとするのも良いでしょう。
「学習の管理と記録」は、①自分で自分のすべきことを整理する、②したことを把握する、ための良い練習となります。これは、才能やセンスだけに頼らず、地道な努力で目標を達成するには、大切な過程です。今から実行して、慣れておくと良いです。
時間割の作り方
家を建てるときには、設計図が必要です。勉強をするときも、同じように時間割を作成しておくと、順調に進みます。時間割は以下の手順で作成します。
- 24時間、7日分の枠を作る
- 1〜3次活動の順に時間帯を埋める
- 曜日ごとに役割を設ける(復習日・予備日)
ここで私は、A4のコピー用紙(横210mm)に睡眠時間を除いた1日18時間程度(1時間10mmとして計180mm)の横向き帯グラフ状に書いていました。また、1〜3次活動の内訳は以下のとおりです(総務省の「社会生活基本調査」より抜粋)。
- 1次活動:生理的に必要な時間(睡眠・食事・入浴など)
- 2次活動:学業(学校・宿題・勉強など)
- 3次活動:趣味・娯楽(遊び)
大学山岳部に所属していた頃、1週間くらいの長期山行や、気象・雪崩など不確定要素が多い冬季縦走では、入山予備日や行動予備日を設けることで、安全性や完遂率を高めるようにしていました。余裕のない行動は、危険を伴うからです。
学習についても同様に、復習日や予備日(計画遅れを取り戻す日)を設けることで、計画倒れによる意欲低下を防ぐようにします。私は土曜日を予備日、日曜日を復習日としていました。また、数学(算数)・英語は月・水・金、理科は火・木など、重要度に応じて配分を調整することで、メリハリをつけていました。実際の学習内容は、次項で紹介する「TODOリスト」を用いて、1日単位で管理していきます。
学習の管理と記録
目標の設定
学習意欲が続きにくい場合は、最初に目標を設定しておくとスムーズにできます。結果を意識する場合は、「テストで〇点以上・学年順位〇番以内」などとわかりやすい基準を設けると良いでしょう。方法にこだわる場合は、「〇〇の教材を〇周以上解く・1日に〇ページずつ進める」というように決めておくと進めやすいです。小学低学年の場合は、「学校の宿題は17時までに終わらせる・遊びに行く前に完了させる」というようにマイルールを決めてください。
学習の管理
目標と達成のための方法が決まれば、具体的にすべきことを書き出していきます。進捗は細かく分けたほうが達成感を得られやすいため、1日おきの目標として「TODOリスト(やることリスト)」を作成します。〇〇の教材p.__〜__というようにできるだけ具体的に表記します。慣れてきたら、優先順位や目安の所要時間を併記しておくと管理しやすいです。
学習の記録
小学生の場合は、家族に進捗を見てもらうと安心です。ひと言で良いので、自分の感想と家族の感想をメモしておくと、自己評価と他己評価(客観的な評価)を同時に行えます。進捗と感想を記録するまでが学習です。一つずつ達成するごとに、取り消し線を引いて、消去していきます。私は演習用ノートの代わりとしてA4コピー用紙を用い、使い終わるごとに積み上げて、1日の勉強量を可視化できるようにしていました。
本記事は、毎月発行している「学心だより」の抜粋文です。期間限定で公開いたします。