入試直前期の勉強法

入試直前期の勉強法

過去問で調整

問題の難易度や形式が似ているという点で、過去問は入試対策として最良の教材です。さらに、受験者平均や合格平均などの資料もそろっているため、自分の立ち位置を把握することも可能です。

私は過去問に重きを置いて学習していました。中学・高校受験は15年分ほど、大学受験は30年分ほどを解きました。「傾向を知るため」と言われますが、問題形式に応じた頭の動かし方を訓練するために活用すると良いです。慣れてくると、どの先生がどの問題を作ったかも気づけるようになります。

また、余裕があれば志望校以外の過去問も解いてみると、違った角度から演習することができます。

過去問の使い方

過去問はできるだけ本番のコンディションに合わせます。実際と同じ時間帯に解くのがおすすめです。 

例えば、9時から国語の試験が始まるのであれば、自宅でも9時から国語の演習するようにします。時間合わせが難しければ、アナログ時計の針を動かして実際の試験と同じ時刻に調整すると良いです。

続いて、大問ごとの解答時間と解く順番を決め、見直し時間(5分程度)まで確保するように計画します。時間がかかる割に得点に結びつかない問題や自分の力量を超えた問題は、「捨て問」と呼ばれます。捨て問に惑わされないよう手堅く得点を重ねることが大事です。

年度ごとに得点と失点の原因をメモしておき、ミスを無くせば何点上がるのか把握しておきましょう。

入試本番へ向けて

生活リズムで調整

毎朝、決まった時間に起きることで、身体と脳の調子を整えていきます。特に「睡眠は記憶の定着にも有効だ」とされているため、大切にします。

自宅でも学校と同じように時間割を作って、どの時間に何をするか決めておくとリズムが整いやすく、次に何をすべきか悩むこともありません。

持ち物

当日は、以下のものは必ず持っていくようにしていました。

  • 模試の成績
  • 過去問の実物コピー
  • まとめノート(入試本番用に作成)
  • チョコレートなど甘いもの、白湯

模試の成績は、これまでで一番良かったときのものを持っていくようにしていました。自分の実力を客観的に見て気持ちを落ち着かせるためです。

入試過去問の実物コピーは、試験直前に何度も繰り返し見ることで、シミュレーションしました。

まとめノートは、過去問演習で自分に足りなかった内容や重要事項を集約しました。試験までに対策すべきことは、「これだけ」と思えれば気分が軽くなります。

勉強は脳を働かせることでエネルギーを消費するため、ブドウ糖を含む甘いものを摂取するようにします。私はチョコレートを好んで持って行きました。また、テルモス(水筒)に白湯(ぬるま湯)を入れて、飲料で身体を冷やさないように気をつけました。

入試前日〜当日の過ごし方

寝られないとき

とにかくイメージトレーニングして過ごしましょう。本番で試験用紙が配られて、問題を解き始める。わからない問題があったら、どのように対処するのか。ミスをしないように何に気をつけるのか…。それらを頭の中でイメージします。

電灯を明々とつけて勉強してしまうと、余計に頭が冴えてしまって寝られなくなるので、横になったまま頭の中でイメージします。

余裕を持って行動

電車は2、3本遅れても十分に間に合うように、余裕を持って出発します。開門後すぐに入るつもりで向かうと安心です。

休憩時間は身体を動かす

試験の合間もじっと座ったままだと血行が悪くなって、調子が優れません。廊下を歩いたり、外の空気を吸ったりして気を紛らわせましょう。自分の机から離れることで自身を客観的に見つめ直すことができます。私は、中学・高校入試では校舎内を散歩して、大学入試では構内の池で野鳥観察をしました。

終わった試験への対応

「過ぎたことは考えるな」とよく言われますが、自分なりに対応すればいいと思います。私は未練がましく振り返っていました。周りから聞こえる話から、正解が多かったら自信を持って進みますし、自分に誤答が多かったら挽回しようと意気込んでいました。ポジティブ思考を心がけて何をしても良い方向へ持っていく気概が大事です。

本記事は、毎月発行している「学心だより」の抜粋文です。期間限定で公開いたします。

この記事を書いた人

学ぶ楽しさを伝えたい。
自分で学べる子どもたちを育てたい。
2022年春に新規事業立ち上げ。教育で貢献します。