学習の進め方 3+1

学習の進め方

学習をスムーズに進めるには、以下のように正しいステップを踏むことが肝要です。

  1. 学習習慣を身につける
  2. 先取り学習で自信をつける
  3. 計画を立てて、勉強法を工夫する

今回は学習の進め方を概観します。

学習習慣を身につける

毎日の生活の中に学習する時間を設けましょう。毎日学習していると脳が新しい分野に慣れてきます。続けていると徐々に頭の回転が速くなってきます。

初めて山に登る人は、気力・体力ともに消耗が激しく、目の前の一歩に気を取られてしまいます。一方、頻繁に山に登る熟練者は、周りの風景や動植物に関心を向ける余裕があります。体力があるだけではなく、最適な状況判断や筋肉の動かし方などを脳が制御できるようになっているからです。経験を重ねることで、山の楽しみ方が深まっていきます。

学習についても同様のことが言えます。毎日、自分の意志で何かを学ぶ時間を確保しましょう。学習習慣を身につける初期の段階としては、学校などから出される宿題をするのが良いです。しかし、他律的な学習だけでは物足りません。学校で習ったことについて、家で事典や図鑑を活用して詳しく調べるのが理想です。また、算数や国語などは教材を使って計算力や読解・論述力を養成すると良いです。

余力があれば、考える力を伸ばしましょう。理解しづらい分野は、図解して考えたり、他の教材を併用して演習したりすると良いです。図を描くのが難しいと感じる人は、教材に載っている図をそのまま描き写して解説と同じ解き方で考えると理解しやすいです。人に教えてもらうだけでは思考力は身に付きません。自分が納得するまで考えることが大事です。

先取り学習で自信をつける

普段の学習の延長として、無理のない範囲で先取り学習を進めると、自信をつけることができます。

算数や数学は新しい概念を理解し、習得するのに時間がかかるので、予習しておくと学習がスムーズに進みます。授業を復習として利用することで、学校での先生の話がすんなりと頭に入ってきます。

計画を立てて、勉強法を工夫する

与えられた宿題をこなすだけの日々から脱却しましょう。他律的な勉強を続けている限り、意欲は維持できませんし、学力の向上も鈍化します。 

自分で計画を立てて、勉強法を工夫していきます。学習によって知的能力を身に付けようとする場合は、目標を小刻みに設定すると進めやすいです。

最初に、教材を何日で終わらせるかを決めます。目次を開くと単元の総数を見通すことができます。単元の横に学習予定日を書き込んでいくと、おおよその完了日が決まります。

復習は高頻度・高反復が原則です。私は物覚えが良くないので、不安な箇所に印をつけて、当日夜→3日後→1週間後→3週間後に復習していました。

試験(受験)に対応するために

中学受験は自分の意思で取り組みました。大きな試験を受けるたびに、自分より高い才能を持った人が存在することに気づきました。解けなかった問題を家でもう一度じっくり考え直しました。難問を瞬時に解いてしまう子どもがいることに驚き、彼らと一緒に勉強したいという気持ちが芽生えました。

初めての受験に向けて父と作戦会議を重ねました。模試を受けるたびに不完全なところを洗い出し、練習問題を解いて弱点を克服していきました。計算が遅ければ毎朝時間を測って特訓し、暗記量が足りなければこれも毎朝特訓しました。ケアレスミスだけは最後まで残りましたが、対策を重ねるごとに模試の点数が伸びていきました。

中学に入ると定期テストがあり、最初は負けず嫌いなのと完璧主義な性格が相まって一生懸命に対策して試験に臨んでいました。知識問題は自分ひとりで勉強するよりも母や友達に問題を出してもらって、一問一答形式で手際よく進めると効率が良いことに気づきました。ところが1年経ったころテストのために勉強することに疑問を抱き、テスト勉強をきっぱり辞めました。細かな知識を暗記するよりも、数学の問題を考えたり、英語を勉強していろんな英文を読んだりする方が成長を感じられて好きでした。

高校受験では、20年分の過去問を集めてすべて解き、得点と解答時間を表にしてまとめました。ここまで入試問題を分析して受験勉強に取り組んだのは初めてでした。ところが大学入試の受験勉強はつまらなく思えて、北海道から九州まで机上での日本旅行を楽しみながら、全国の入試問題を解きました。

私は好きではないものに長期間取り組むのが苦手ですが、受験では何らかの楽しさや希望を見出して取り組んだのが良かったように思います。

本記事は、毎月発行している「学心だより」の抜粋文です。期間限定で公開いたします。

この記事を書いた人

学ぶ楽しさを伝えたい。
自分で学べる子どもたちを育てたい。
2022年春に新規事業立ち上げ。教育で貢献します。