計画の立て方、テスト直後の振り返りシート

計画の必要性

達成したい目標があってそれに向けて取り組むときは、計画があると進めやすいです。趣味で気ままに勉強するのなら良いのですが、テストや入試が絡んでくるとやるべきことが一気に増えて収拾がつきません。計画がなければ、混沌としてしまいます。

例えば、山に登るときは地図と計画書があると安心です。どのルートを進むのか、時間はどれくらいかかるのか、何か問題が起こったときはどう対処するのか、などを予め決めておくことで、山を楽しむことができます。

普段の学習でも同じことが言えます。登校前に読書をする、帰宅したら先に学校の宿題を終わらせてから遊ぶ、雨の日は予習をする、などとシチュエーションに応じてすべきことを決めておくと、学んだことを身につけることができます。

やる気が出ない原因の大半は、「いま何をすれば良いか分からない。どのように進めればいいか分からない」ことではないでしょうか。特に受験期において、迷いは最大の敵です。マラソン大会に出走して、コースを間違えたり道迷いしたりするのと同じです。受験は他人との競争でもありますから、自分のペースをしっかり確立して、入学試験の日まで勉強し続けることが大切です。

まず走り出す(机に向かって勉強する)のがおすすめです。行動しているうちに、要領やコツがつかめるようになります。やる気が出るまで待つ必要はありません。とりあえず動き出せば、もっと先へ進みたいという意欲が生まれてきます。

計画の立て方

いきなり長期に渡る計画を立てるのは難しいですから、週単位で管理してみましょう。「1週間で1単元ずつ進む」などとわかりやすさ重視で決めておくのがおすすめです。

達成感を感じやすくするために、計画は詰め込み過ぎず、無理なく達成できる程度に抑えます。計画通りあるいは計画以上に進めて達成感を感じた方が、意欲が湧いてきます。「できなかった」というネガティブな感情ではなく、「こんなにできた」というポジティブな感情の比率を増やすのです。

さて、実際に進めていくのですが、曜日に役割を与えると良いです。例えば次のとおりです。

  • 月・火   :新しいことを学習(予習)
  • 水          :月火の復習と遅れた分
  • 木・金   :月火の演習と定着(類似・発展問題)
  • 土          :1週間の復習と遅れた分
  • 日          :お休み(次週の計画を立てる)

上記のスケジュールを見ていくつか気づく点があると思います。まず、こまめに復習するタイミングを散りばめ、学習内容の定着を図ります。可能なら、応用力を身につけるため、発展問題を演習する時間も用意しています。さらに、計画倒れを防ぐために、遅れた分を取り戻す日を設定しています。

1週間ごとに計画を見直して、自分が納得のいくように修正していくのがおすすめです。私は中学生の頃に日曜日の夜に翌週の計画を作っていました。設計図を描くようで楽しかったのを覚えています。そして設計図どおりに学習を組み立てていきました。

テスト直後は振り返りシートを作る

私が通っていた中学校では、定期テスト返却時に「振り返りシート」が配られ、得点・平均点・反省点・次の目標を書いて提出していました。

課題がとても多い学校でしたので、気にも留めずに淡々と書いて提出していましたが、この「振り返りシート」の効果は覿面でした。私が反省点と目標の欄に記入する上で心がけた手順は次のとおりです。

  1. 失点原因を単純ミス・理解不十分の2つに大別
  2. 単純ミスは、ミスの内容を記入
    (三人称単数のsを忘れたなど)
  3. 理解不十分な箇所は、問題集の類似問題に印をつけて解き直し
  4. 目標には、具体的な点数と失点を防ぐための方策を記入
    (普段の演習でもミス削減に心がけるなど)

この方法を繰り返して、反省点を減らしていくと、満足のいく結果が得られるようになります。

ただ、完璧を目指すのはデメリットもあります。私は自分でのんびりと勉強するのが好きなタイプでしたので、学校の勉強にとらわれてしまうと「自分の勉強」をする時間がなくなってしまうのでした。 そこで、最終的に行き着いたのが、テスト前ではなくテスト後に勉強するという方法です。テスト勉強を行わないため、テストの点数は落ちてしまいましたが、自分が好きなことに時間を費やすことができました。また、テスト直後はテスト範囲の内容を最も覚えている時期ですので、このタイミングで復習するとスムーズに吸収できました。

本記事は、毎月発行している「学心だより」の抜粋文です。期間限定で公開いたします。

この記事を書いた人

学ぶ楽しさを伝えたい。
自分で学べる子どもたちを育てたい。
2022年春に新規事業立ち上げ。教育で貢献します。