【灘高受験体験記】海外在住・帰国子女の灘高合格戦略
※ 本記事は寄稿者本人の許可を得て掲載しています。原文の表記を一部変えています。
オランダから灘高校を目指した中学生がいた。
海外の地で日本語の参考書を取り寄せ、現地の友人と数学を解き続け、英検準一級を取り、過去問を30年分2周した。その軌跡を、本人の言葉をもとに記す。
現地校・補習校から日本人学校へ
小学校4年生まで、私はオランダのモンテッソーリ校に通っていた。自由進度で学ぶその環境では、小4のうちに学校の教材をほぼ終えてしまい、一日中本を読んで過ごしていた。
並行して、毎週土曜には日本語補習授業校に通い、国語と算数だけを日本の教科書で学んでいた。それ以外に勉強らしい勉強はしていなかったと思う。
当時、ロボットへの興味が芽生えていた。「将来は日本でロボットを学びたい」と親に話したことが、転機になった。小4の二学期、全日制の日本人学校に転校した。
小学5年生、灘高校との出会い
小5の終わり頃、「オランダには日本の高校がない」という現実に直面した。高校から日本に行く必要がある。では、どこへ行くのか。
調べるうちに、灘高校という名前にたどり着いた。
「絶対に行きたい」と思った。自分に最もよく合う学校だという直感があった。当時の担任が関西出身の先生で、その人柄がとても面白かったことも、頭のどこかにあったかもしれない。小学5年生の自分にとって、灘はそういう場所だった。
小5から始めた勉強──漢字と数学
灘を意識してまず取り組んだのは、漢字だった。当時の漢字テストは100点満点で12点。絶望的な状況だったが、とにかく書いて覚えた。12点→66点→80点台→満点、と少しずつ上がっていった。
数学は、小6までに2〜3年先の内容を進めた。中学入学前の春休みには、中学数学をひと通り終えていた。
その頃、母がある受験ブログを見つけた。「独学で灘・東大へ」という、灘高・東大卒の塾長が運営するサイトだ。そこに書かれていた灘高受験までのスケジュールが、以後の学習の道筋になった。
数学の勉強法
メインの教材は『高校への数学』と『青チャート』だった。中1の間は、数学以外はほとんど勉強しなかったといっていい。
『高校への数学』の「日々のハイレベル演習」を中1から解き始めた。最初はB問題も満足に解けなかった。それでも、現地の友人と一緒に解き進めるうちに、少しずつ力がついてきた。中1から中2にかけて一周し終えた頃には、C問題も4割ほど完答できるようになっていた。
中3の8月までに再度一周するペースで進め、学力コンテストにも何度か挑戦した。「目で解く幾何」は難しいが、それだけ価値のある教材だと思う。
英語の勉強法
元々、英語は得意だった。海外生活で培った土台があったためだ。
中2の夏に『最難関高校の英語』を終わらせ、その時点でほぼ解けるようになっていた。中3では英文法と和訳を中心に学習し、10月に英検準一級を取得した。
帰国子女にとって英語は武器になりうる。ただし、入試の英語は「読む・書く」が中心であるため、文法と和訳の精度を上げることが重要だ。
理科の勉強法
理科の本格的な学習は中3から始めた。主な教材は『最高水準問題集 特進』と『最難関高校の理科』だ。前者は薄くて取り組みやすく、後者は分厚く手をつけにくいが、それだけ内容は充実している。
11月までに物理と化学を固めたが、地学・生物の演習量は不足していた。振り返れば、理科はもう少し早く始めるべきだった。中2から少しずつ着手することを勧めたい。
国語の勉強法
国語には苦手意識があり、塾での学習を中心に進めた。古文は12月から毎日1題を解くことを習慣にした。
国語は短期間で劇的に伸びる教科ではない。それでも、毎日続けることで確実に読む力はついてくる。
直前期の過去問演習
過去問は、数学30年・理科25年・英語と国語を各20年分、それぞれ2周した。
初めて過去問を解いたのは中2の夏で、数学と英語だけに絞った。結果は数学5割・英語7割。この段階で「合格への道筋」をイメージできたことは、その後の学習に大きな意味を持った。早い時期に一度解いてみることを、強く勧める。
海外在住の受験生へ
教材はAmazonで取り寄せることができる。物理的な距離は、今やそれほど大きな障壁ではない。
難しいのは、学習意欲の維持だ。私の場合、灘卒のYouTuberの動画を見ることが、モチベーションの支えになった。自分なりの「灘とのつながり」を持ち続けることが、長い受験期間を乗り越える鍵になると思う。
灘高受験で大切な2つのこと
① 得意を伸ばしきること
苦手をなくそうとするより、得意をとことん伸ばす方が精神的に楽だ。私の場合、数学と英語を軸にしたことが合格につながった。
② 早めに志望校対策を始めること
早く始めれば、時間的な余裕が生まれる。余裕があれば、焦らず学べる。焦らなければ、深く考えられる。すべては「早く始めること」から始まる。
塾長より
改めて、灘高合格おめでとうございます。
彼がはじめて連絡をくれたのは、まだ受験まで時間があった頃のことだった。話してみると、私のブログ「独学で灘・東大へ」を隅々まで読み込んでいることがすぐにわかった。それだけではなく、そこに書かれた学習法を実際に自分のものにし、さらに先へ進もうとしていた。
私自身が灘高・東大への道を歩んだときよりも、ストイックに学び続けていたと思う。指導のたびに、こちらが背筋を伸ばされる感覚があった。
海外という環境の中で、孤独に近い状況で勉強を続けることは、想像以上に難しい。それでも彼は、手を緩めなかった。その姿勢こそが、合格の本質だったと私は思っている。
灘での3年間が、さらなる知の冒険になることを願っています。
学心 塾長
灘高受験 おすすめ教材まとめ
今回ご寄稿いただいた生徒が実際に使用した教材です。
英語
数学
理科
学心では、灘高受験の指導を行っています
対面(大阪府高石市)・オンラインどちらにも対応しています。 海外在住の方のオンライン指導も承っています。
「灘高を目指したい」「どんな指導か見てみたい」という方は、まずはお気軽にご相談ください。無理な勧誘は一切ありません。
